マイマイ新子と千年の魔法

昭和30年の山口県防府市。平安の時代、この地は「周防の国」と呼ばれ、国衙遺跡や当時の地名をいまでもとどめている。
広がる麦畑の下には千年前の街がある。そんな街に、おでこにマイマイ(つむじ、旋毛)を持つ、毎日を明るく楽しく過ごす、活発で空想好きな少女・新子は暮らす。
新子は大好きなおじいちゃんの語る千年前の町の、ひとりの少女を目の前にいるかのようにいきいきと想いを馳せてその暮らしを辿ってみるのだった。
ある日、彼女の通う学校に、都会から引っ越してきた引っ込み思案な少女、貴伊子が転校してきた。
なかなかなじめない貴伊子に好奇心旺盛な新子は話しかけ、互いの家を行き来するうちに、いつしかふたりは仲良くなっていく。
そして、彼女を学校の仲間に迎え入れるべく力を貸してゆく。