LEADERSリーダーズ

1929年、第二次世界大戦の発端となった世界恐慌の最中、欧米先進国より50年は工業技術が遅れていると言われた我が国に自動車で世界に挑もうとした男がいた。
愛知自動織機製作所(モデルは豊田自動織機製作所)常務、愛知佐一郎が外国車の解体から始めたゼロからの乗用車開発は挫折の繰り返しであった。
佐一郎を支えたのは同じ夢を追う社員たちだった。しかし5年を費やして乗用車を完成したときには戦争の足音が迫っていた。
乗用車生産は国の許可制となり佐一郎は軍用でも使用できるトラックの大量生産に踏み切る。
佐一郎を社長としたアイチ自動車工業が設立されたが、戦争は仲間たちをも戦地に連れ去り、工場の一部も軍需工場として連合軍の爆撃に合い炎上した。
しかも皮肉にも爆撃の翌日に終戦を迎えるのだった。

オリンピックの身代金

昭和39年(1964年)8月22日、東京オリンピックの警備本部幕僚長・須賀修二郎の自宅敷地内から火の手が上がる。
それから1週間後の8月29日、中野の警察学校で爆発音と共に火の手が上がる。
いずれも新聞報道はなく、現場に駆けつけた警察官だけでなく警察内部全体に厳しい箝口令が敷かれる。
第二子の出産を控え、松戸市の常盤平団地に引っ越した捜査一課の刑事・落合昌夫が属する五係の面々に召集がかかり、一切を保秘とする旨をきつく申し渡された上で、前年に相次いで発生した連続爆破事件の犯人が差出人の名に使用した「草加次郎」から
“オリンピックのカイサイをボウガイする”“もう一度ハナビをあげます。東京オリンピックはいらない”
と爆破の予告状が届いていたことが明かされる。

はじまりの歌

東京でフリーカメラマンをしている主人公の航(わたる)は、雑誌の写真を撮りに故郷に帰る。
そこで、合唱コンクール出場を目指す小学生たち、元彼女の小学校教師、幼馴染や家族と触れ合い、再び人生の夢を取り戻していく。

山田顕義物語

明治22年(1889年)、色あせた若き志士たちの写真を見つめる山田顕義(渡哲也)には、忘れることができない思い出があった。
顕義の人生の原動力ともなった少年時代の同士との出会いが、鮮やかに脳裏によみがえる─。

時は幕末、安政4年(1857年)。黒船の到来により長年続いた幕府の屋台骨は揺らぎはじめていた。
長州の萩で武士の家に生まれた山田市之允(山田涼介)、通称・市、のちの顕義は13歳。江戸へ行き人々の役に立ちたいと考えていた。
しかし、肝心の江戸へ行く術がわからない。
父・顕行(神田正輝)の勧めで松下村塾へ入門し、生涯の師・吉田松陰(合田雅吏)と出会う。
父に松陰から江戸へ行く術を学べと諭された市だが、松下村塾の学問は畑仕事など一風変わったものばかり。
そんな時、塾生がわずかな金銭のために殺され、その理不尽な死に泣き崩れる市に松陰は言う。
「人の行動には必ず理由がある。江戸に行きたいという理由(志)がなければ江戸に行っても役には立たない。江戸へ行くために、ここでしっかり勉強しなさい。」
人の志(こころざし)を説く松陰の言葉に、市は初めて松陰を心から尊敬する。
そして、いつか江戸へ行くために松下村塾で学ぼうと決意する。

この世界の片隅に

広島市江波で少女時代を過ごした浦野すずは、想像力が豊かで絵を描くのが上手く、自分が体験した出来事を、虚実の入り交じった漫画のような作り話にしてしまう才能の持ち主。
太平洋戦争中の1943年(昭和18年)12月、18歳のすずが草津の祖母の家で海苔すきの手伝いをしていると、突然縁談の知らせがくる。
急ぎ帰宅したすずが覗き見たのは、呉から来た北條周作という青年だった。
翌年2月、呉の北條家でささやかな結婚式が挙げられ、すずの新しい生活がはじまる。
すずは周作とどこかで会った気がするが思い出せない。傍目には不器用で、いつもぼんやりしていて危なっかしく見えるすずは、北條家で失敗を繰り広げては、小姑の黒村径子に小言を言われる毎日を過ごすが、径子の娘である姪の黒村晴美には懐かれる。
戦時下で物資が不足し、配給も乏しくなる一方、すずは持ち前のユーモアと生活の知恵で、食料に乏しい日々を乗り切り、次第に北條家やその近所の人々に受け入れられていく。

万引きGメン・二階堂雪20 砂の絆

保安員・二階堂雪は、自分が補導した万引き犯の男から逆恨みされ、帰宅途中に襲われる。
だが、間一髪で仕出し弁当屋の従業員・青森ミカに助けられる。
だが数日後、ミカが何者かに殺され、河原で遺体で発見された。
犯人を突き止めたい雪は、知り合いの新聞記者・花沢と共にミカの身辺を調べ始める。
ミカは以前の勤め先で“9521”という4桁の数字に1000万円の価値があると話していたという。
しかも「青森ミカ」という名は偽名で、ミカの本名は「片桐洋子」だったことも判明する。
その後、横浜にミカの本名と同姓同名の片桐洋子という新進気鋭のファッションデザイナーが、「ブティック・9521」という店を経営していることを突き止める。
店名の“9521”とはSLやまぐち号の列車番号で、洋子がブランドのロゴマークとして使用しているものだった。

あなたへ~ヒロシマ あの夏の約束~

幸せを掴みかけた矢先、想像もしなかった婚約者の被爆死で、悲しみの底に突き落とされたひとりの女性。
原爆でその後の人生を大きく翻弄されながらも、ひたむきにひとりの男性を愛し、ひっそりと、しかし誇りを持って生きてきた彼女の、87年を見つめる

柳生武芸帳

江戸城大奥に霞の忍者・千四郎が忍び込み、春日局が厳重に保管していた『柳生武芸帳・中』を盗み出して逃走した。
将軍家剣術指南役の柳生但馬守宗矩は、嫡男・十兵衛に賊の後を追わせ、盗まれた武芸帳を取り戻すよう命じる。
春日局は、この騒動によって亡き家康から託された武芸帳には秘密があると悟り、ただ一人武芸帳のことを知る宗矩を詰問するが、知らないという返事に釈然とせず憤る。
以前から宗矩を快く思っていなかった春日局は、老中・松平伊豆守と武芸帳を奪うことを画策するのだった。

K-20怪人二十面相・伝

第二次世界大戦が回避された架空の昭和24年。

日本は19世紀から続く華族制度により極端な格差社会が生まれていた。職業の変更は禁じられ、恋愛の自由もなく、結婚は同じ身分の者同士でのみ許されていた。

帝都・東京では怪人二十面相が富裕層を狙う犯罪を繰り返していた。

その二十面相は学術会議で革命的な新エネルギー機関・テスラ装置の模型を盗み、今度はテスラ装置を奪うと大胆に宣言したことから、警務局の浪越警部は名探偵・明智小五郎に捜査を依頼した。

一方、サーカス団で働く軽業師・遠藤平吉はふとしたことからカストリ雑誌の記者に化けた怪人二十面相にだまされ、彼の替え玉に仕立てられたために二十面相として軍憲(この世界における警察)から追われる羽目になってしまう。

平吉は疑いを晴らすために、自らも二十面相になり、本物の二十面相と対決することになる。

僕たちの戦争

2001年9月12日の日本、サーフィンをしていたフリーターの健太は大波に飲み込まれ、気が付くと1944年(昭和19年)の世界にタイムスリップしていた。
一方、戦時中の1944年、霞ヶ浦予科練で飛行訓練をしていた吾一は雨雲に巻き込まれ海に墜落し、現代へタイムスリップしてしまう。
それぞれの時代の二人の家族や友人すら見分けが困難である程似ていた容姿のせいもありお互い入れ替わってしまった健太と吾一。
健太は1944年で特攻兵器回天の部隊へ配属され、吾一は現代の健太の恋人・ミナミに思いを寄せていく。
彼らは自分の元いた世界と異なる時代に戸惑い翻弄されながらも生きていく。